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最後の9分にただ圧倒されてしまう『セッション』感想

 

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あらすじ

 

名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。

引用元:解説・あらすじ – セッション – 作品 – Yahoo!映画

 

衝撃を受けた映画

 

ユダヤ系で片親、劣等感まみれの主人公ニーマンが、一つ誇れたドラムで成り上がる事を夢みて音楽学校に入るも、成績は振るわず。しかし、自主練をしている中で一つの出会いが、彼のその後を変える。

努力を重ねる事で成長するスポ根ストーリーを根っこに持っている作品は好きですけど、この作品は今まで見てきたものとは一味違うんですよ。

 

ウィップラッシュ

 

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その原因はハッキリしている、この鬼教官フレッチャーのせいですねw

学校で最高峰の指揮者でありJazzに魂を売った男。徹罵詈雑言は当たり前、自分の要求する水準に満たない者には、徹底して追い詰める。
その圧倒的な個性に見入ってしまい、気付いたら終演を迎えていました。フレッチャーとニーマンとの音楽を通じた対話こそ、本作の魅力の大半を占めるといっても過言ではないです。

 

振るわれる理不尽という名の鞭

 

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かといって、ニーマン自身が良い人かといったら、そうでもない。都合よく彼女に別れ話を持ち掛けては、練習時間に遅刻、共演者の楽譜を預かっては捨て置く、忘れ物をよくすると、かなりルーズ。怒られる原因は彼にもあるが、それに逆切れ、怒りをドラムにぶつける。自己顕示欲を満たす為に音楽をしているタイプですね。

 

フレッチャーが求めるもの

 

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これが最初に見終わった時に分からずモヤモヤしました。厳格に至上の音楽を求めているかと言ったら、気の大人しい奏者に濡れ衣を着せ退席させたり、遅刻者を罰せず、しかし楽譜を雑に扱う者へは断罪し、最後のステージでは陰湿に嵌めようとする。そんな彼の言動に、僕が行き着いた印象は『理不尽』というものでした。

 

ジャズとは

 

ジャズ史に於いて特筆されるべき事は、差別されてきた黒人ジャズメンと、やはり迫害、差別されてきたユダヤ人が共に闘って、ジャズを育て、発展させてきたと言う点だろう。
ジャズ演奏は黒人達の心と精神を解放する役目を果たしていた様に思える。ジャズ同様黒人達が歌い演奏するブルースが、多くは一人で、個人の悩みや悲しみを歌ったものであったのに対し、ジャズの多くは複数で、魂や心を一つにして、自分達への差別や偏見に対する怒りや反発を楽器に込めて演奏した面があった。そしてアドリブの中に、実生活では得られない自由を思う存分に発揮、展開していた様に感じられる。

引用元:新しいジャズの歴史へ – Jazzについてのプロフィール

 

つまりフレッチャーはどれほど理不尽な要求や迫害をされても音楽を続ける者こそ、真のJazzを生み出すと考える男であり、この作品の根幹ではないかと思います。

 

音楽がすべて

 

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フレッチャーの仕打ちに逆らい、怒りの全てをドラムに叩き付ける、最後の9分19秒。この作品の魅力が凝縮されていて、格別の爽快感を味わう事間違いなし!

 

抑圧から解き放たれた音楽、それがJAZZ

 

キャラバンってドラムでなく、ピアノが前に出るのもあるんですね。ほんと自由で映画だけに留まらず、Jazzそのものにも興味を持ってしまう、規格外の力強い作品でした。

紹介 ぐぬぬ

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